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サロマ湖のアサリ漁場で'09
1.はじめに
今回でサロマ湖のアサリ漁場の話しは3回目になります。
前回は、アサリを食べてしまうチシマタマガイとオウウヨウラクガイの駆除や
試食の話を書きました。今回もアサリの天敵であるチシマタマガイとオウウ
ヨウラクガイの卵やその成長の様子について紹介したいと思います。

2.卵塊の出現状況
 チシマタマガイの卵塊は、サロマ湖の結氷が解けてから半月後の4月中旬
には見られるようになりました。
卵塊は、アッという間にアサリ漁場の至る所で見られるようになりました。
1日に何個の卵塊が増えていくのか、5月末~7月上旬にかけて10m×10m
の定点を設けて観察しました。
その結果、1日に20~30個、多い日には70個以上も出現しました。
6月中旬になると出現数は減少して10個以下となり、7月に入るとほとんど出
現しませんでした。
卵塊の大きさは、500mlペットボトルの径程のものから、大人の手のひらより
も大きいものまでありました。5月は大きな卵塊が多く、6月になると小さいも
のが多くなったようです。
産卵直後のチシマタマガイとその卵塊の大きさを測定したところ、卵塊の大き
さはチシマタマガイの体の大きさに関係があるようでした。

(写真1)


産卵直後の卵塊は、表面がツルツルしていて、時間が経つとザラザラしてくるこ
とが、観察の結果分かってきました。

オウウヨウラクの卵塊は、5月下旬から見られるようになりました。
チシマタマガイの卵塊とは異なり、数は少なく、石や貝殻、海藻の茎に産み付
けられています。

(写真2-1)


この卵塊は、黄色で細長く(長さ1cm程)堅い袋で、この袋の中に卵が入っています。
卵塊は7月下旬になっても見つかっています。

3.卵塊を見る
 チシマタマガイの卵塊は厚さ1mm程度ですが、この断面を顕微鏡で見ると、まるで
段ボールの断面のように、砂粒でできた2枚のシートの間に部屋が並び、その部屋に
直径約0.3mmの卵が10個程入っていました。

(写真3)


部屋と部屋の間には砂粒の壁があり、部屋がつぶれないようになっていました。
産卵から何日でふ化するのか知るために、産卵直後の卵塊を水槽内で観察しました。
およそ20日間前後でふ化が始まることが分かりました。
ふ化が始まると卵塊の表面の砂粒がはがれ落ち、デコボコになります。

(写真4)


更にふ化が進むと、卵塊はボロボロになって元の砂に戻っていきます。
1つの卵塊の中には、数万個の卵があると推測され、卵塊を駆除することがとても重要
であることを再確認しました。

オウウヨウラクの卵塊の中には、とても小さい黄白色の粒が無数に入っていました。
この無数の粒が時間の経過とともに合体?して、幼体に変化しているように観察されました。

(写真5)


最終的に卵塊の中には、10個前後の幼体ができることが分かりました。
産卵からふ化するまでの期間は、およそ1ヶ月でした。卵塊上部の尖った部分はワイン
のコルク栓のようになっていて、幼体が成長し外に出ても良くなる頃、ちょうど栓が溶け
るか取れるかして、卵塊に穴が開き)、外に出てくることが分かりました。

(写真2-2)


チシマタマガイもオウウヨウラクもこんな不思議な構造の卵塊をどうして作ることができる
のか不思議です。

4.ふ化した天敵の姿
 ふ化したチシマタマガイとオウウヨウラクの子供たちは、写真6、7のような姿です。

(写真6)

(写真7)


共に1mmに満たない大きさで卵塊から外の世界に旅立ちます。
1年でどれ位の大きさにまで成長するのかは、まだ分かっていません。また、卵塊か
ら外の世界に出て直ぐに、アサリなど二枚貝を襲っているのかどうかも分かりません。

オウウヨウラクの子供は、触覚の付け根に黒い眼のようなものがあり、動きも活発で、
とてもかわいいことが分かりました(アサリから見たら恐ろしいのでしょうが)。

5.おわりに
 アサリの天敵であるチシマタマガイやオウウヨウラクは、食べたら美味しく、ふ化直後
はかわいいなど、駆除する気力が損なわれそうになってしまいます。
しかし!
アサリ漁場としての機能がこれからも持続するように調査協力していきたいと考えています。




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| 研究開発活動報告 | 02:55 PM | comments (0) | trackback (x) |










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