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北海道のアサリ漁場造成で用いられるサンドチューブ
1.はじめに
本州の東京湾や瀬戸内海、有明海のように広い干潟が少ない北海道では、沿岸整備事業に
よるアサリ漁場の造成が昭和61年から始まりました。
アサリの生息する範囲が狭い北海道では、アサリが生息していない深い場所に盛り砂をして
漁場を造成する方法が取られました。盛り砂をするためには、砂が広がっていかないように周
囲を囲む必要があります。
この囲いとして、ブロックや土俵、鋼矢板がありますが、昭和62年からサンドチューブが多くの
場所で用いられるようになり、採用されてから今年で23年になります。しかし、サンドチューブを
用いたアサリ漁場の造成方法は、特有な施工方法であるため、実際にその施工状況を見たこ
とのある人は、社内でも一部に限られています。
そこで、サンドチューブを用いたアサリ漁場造成の様子を映像で残したいと思い、野付湾で行
われている施工現場にお邪魔しました。今回は、その様子をお知らせします。

2.サンドチューブについて
サンドチューブ(写真1)は、織布の表面に塩ビコーティングを施した丈夫なシートを、長さ20m、
直径約1mの筒状の袋にしたものです。サンドチューブへの砂の充てんは、人と同じような大き
さのサンドポンプ(写真2)を使います。
このサンドポンプで水と砂を一緒に吸い上げ、排砂管(写真3)を通してサンドチューブの一端に
ある注入口に送ります。
図のように、注入口から入った水と砂は、サンドチューブの中に入ると急に広い空間になるため、
流速が遅くなり、砂がサンドチューブの中に沈降し溜まっていきます。
砂がサンドチューブの中いっぱいに入ると、充てん作業は終了です。このようにして、造成するア
サリ漁場の周囲にサンドチューブを並べて設置していくことで、囲いができあがります。サンドチュ
ーブの囲いができると、囲いの中に盛り砂を投入して地盤を均し、アサリ漁場の完成です。
サンドチューブへの砂の充てん作業は、アサリ漁場を造成する場所で行われます。作業は、作業
船で施工するには浅すぎる水深のため、ほとんどを人力に頼ることになります。


写真1:サンドチューブ


写真2:サンドポンプ


写真3:排砂管



3.サンドチューブに砂を詰める 
サンドチューブは(写真4)のように折りたたまれています。
これを設置する場所に運び広げます(写真5)。
広げ終わると、初めはサンドポンプから水だけを送り、サンドチューブに水を充てんします。(写真6)
この時、サンドチューブが曲がらないようにしっかり押さえていないと、まっすぐに直すのは難しく
なってしまいます。
水がいっぱいに入ると、サンドチューブは大きな丸太のようになります。
サンドチューブがいっぱいに膨らんだ後、今度は水と砂を注入して砂がサンドチューブの中に充
てんされるのを待ちます。砂が充てんされるのには4時間ほど掛かります。サンドチューブの中に
9割近く砂が入ると、注入される水と砂の通り道は、サンドチューブ内の上部に細く残るだけになる
ため、途中で砂が偏ってふさがりやすくなります。そこで現場のみなさんがサンドチューブの上に立
ち、足踏みして途中でふさがらないようにします(写真7)。
砂の粒の大きさ、水と砂の混合状態、さらに砂の充てんの度合いなどをみながら、ポンプの圧力調
整や充てん方向の転換などの作業をしていて、現場のみなさんがしっかりと意思疎通を取り、力を
合わせて作業していることが良く分かりました。また、これまで培ってきたノウハウが至るところに活
かされていると感じました。


写真4:折りたたまれたサンドチューブを広げるところ


写真5:サンドチューブを広げたところ


写真6:サンドチューブに水を注入しているところ


写真7:サンドチューブの上で足踏み

4.おわりに 
アサリ漁場造成現場は、潮の干満によって干出したり水没したり水深の変化が大きく、顔から下は
水中に入っての作業となります。そのため、防水服を着て作業をするので、服の中は汗だくです。
現場のみなさんの苦労は大変なものですが、このような場所でサンドチューブを設置する作業をして
いるのは、日本ではここだけです。
もしかすると、世界中でも、ここだけかも知れません。
サンドチューブ施工のノウハウは、西村組アーカイブとしてしっかりと残していきたいと思います。
最後に、造成されたアサリ漁場からたくさんのアサリが漁獲されることを願いつつ、今回の報告を終
わります。


| http://blog.a19.jp/nishimuragumi/index.php?e=174 |
| 研究開発活動報告 | 11:27 AM | comments (0) | trackback (x) |
サロマ湖のアサリ漁場で'09
1.はじめに
今回でサロマ湖のアサリ漁場の話しは3回目になります。
前回は、アサリを食べてしまうチシマタマガイとオウウヨウラクガイの駆除や
試食の話を書きました。今回もアサリの天敵であるチシマタマガイとオウウ
ヨウラクガイの卵やその成長の様子について紹介したいと思います。

2.卵塊の出現状況
 チシマタマガイの卵塊は、サロマ湖の結氷が解けてから半月後の4月中旬
には見られるようになりました。
卵塊は、アッという間にアサリ漁場の至る所で見られるようになりました。
1日に何個の卵塊が増えていくのか、5月末~7月上旬にかけて10m×10m
の定点を設けて観察しました。
その結果、1日に20~30個、多い日には70個以上も出現しました。
6月中旬になると出現数は減少して10個以下となり、7月に入るとほとんど出
現しませんでした。
卵塊の大きさは、500mlペットボトルの径程のものから、大人の手のひらより
も大きいものまでありました。5月は大きな卵塊が多く、6月になると小さいも
のが多くなったようです。
産卵直後のチシマタマガイとその卵塊の大きさを測定したところ、卵塊の大き
さはチシマタマガイの体の大きさに関係があるようでした。

(写真1)


産卵直後の卵塊は、表面がツルツルしていて、時間が経つとザラザラしてくるこ
とが、観察の結果分かってきました。

オウウヨウラクの卵塊は、5月下旬から見られるようになりました。
チシマタマガイの卵塊とは異なり、数は少なく、石や貝殻、海藻の茎に産み付
けられています。

(写真2-1)


この卵塊は、黄色で細長く(長さ1cm程)堅い袋で、この袋の中に卵が入っています。
卵塊は7月下旬になっても見つかっています。

3.卵塊を見る
 チシマタマガイの卵塊は厚さ1mm程度ですが、この断面を顕微鏡で見ると、まるで
段ボールの断面のように、砂粒でできた2枚のシートの間に部屋が並び、その部屋に
直径約0.3mmの卵が10個程入っていました。

(写真3)


部屋と部屋の間には砂粒の壁があり、部屋がつぶれないようになっていました。
産卵から何日でふ化するのか知るために、産卵直後の卵塊を水槽内で観察しました。
およそ20日間前後でふ化が始まることが分かりました。
ふ化が始まると卵塊の表面の砂粒がはがれ落ち、デコボコになります。

(写真4)


更にふ化が進むと、卵塊はボロボロになって元の砂に戻っていきます。
1つの卵塊の中には、数万個の卵があると推測され、卵塊を駆除することがとても重要
であることを再確認しました。

オウウヨウラクの卵塊の中には、とても小さい黄白色の粒が無数に入っていました。
この無数の粒が時間の経過とともに合体?して、幼体に変化しているように観察されました。

(写真5)


最終的に卵塊の中には、10個前後の幼体ができることが分かりました。
産卵からふ化するまでの期間は、およそ1ヶ月でした。卵塊上部の尖った部分はワイン
のコルク栓のようになっていて、幼体が成長し外に出ても良くなる頃、ちょうど栓が溶け
るか取れるかして、卵塊に穴が開き)、外に出てくることが分かりました。

(写真2-2)


チシマタマガイもオウウヨウラクもこんな不思議な構造の卵塊をどうして作ることができる
のか不思議です。

4.ふ化した天敵の姿
 ふ化したチシマタマガイとオウウヨウラクの子供たちは、写真6、7のような姿です。

(写真6)

(写真7)


共に1mmに満たない大きさで卵塊から外の世界に旅立ちます。
1年でどれ位の大きさにまで成長するのかは、まだ分かっていません。また、卵塊か
ら外の世界に出て直ぐに、アサリなど二枚貝を襲っているのかどうかも分かりません。

オウウヨウラクの子供は、触覚の付け根に黒い眼のようなものがあり、動きも活発で、
とてもかわいいことが分かりました(アサリから見たら恐ろしいのでしょうが)。

5.おわりに
 アサリの天敵であるチシマタマガイやオウウヨウラクは、食べたら美味しく、ふ化直後
はかわいいなど、駆除する気力が損なわれそうになってしまいます。
しかし!
アサリ漁場としての機能がこれからも持続するように調査協力していきたいと考えています。




| http://blog.a19.jp/nishimuragumi/index.php?e=129 |
| 研究開発活動報告 | 02:55 PM | comments (0) | trackback (x) |
サロマ湖のアサリ漁場で‘08
1.はじめに
2007年10月発刊の社内報で、サロマ湖のアサリ漁場に小さなアサリがたくさん見られる
ようになった話を書きました。今回は、このアサリ漁場周辺に生息している、アサリを食べ
てしまう巻き貝の話をしたいと思います。

2.アサリ漁場の砂茶わん
 以前から気になっていたのですが、5月~6月にかけて、写真1のような茶わんをひっくり
返したようなものがアサリ漁場の沖側にたくさん見られます。
(写真1)
これは、「砂茶わん」と呼ばれていて、カタツムリのような形をした巻き貝、チシマタマガイの
卵塊です(写真2)。
(写真2)
砂と粘液を使って卵を混ぜ込んでいるもので、この卵塊の中に、数万個の卵があるのだそう
です。何でこんな形をしているのかは分かりませんが、きれいな曲線で陶芸家のような作品
に感心してしまいます。
でも、この卵塊からアサリの大敵がたくさん生まれてくるので、駆除する必要があります。チ
シマタマガイは普段、砂の中に潜っていて、アサリを見つけるとアサリの殻に歯と酸で丸い穴
を開けてアサリの肉を食べてしまいます。丸い穴の開いた貝殻があったら、それはチシマタマ
ガイに襲われた貝殻です(写真3)。
(写真3)
タマガイ類は1日に0.6個のアサリなどを食べるそうなので、1個のチシマタマガイが1年間に食
べるアサリは200個以上になります。この漁場にはチシマタマガイの他に、オオウヨウラクガイと
いう巻き貝も多く見られます。この巻き貝もアサリが大好きで、殻に穴を開けて身を食べてしま
います(写真4)。
(写真4)

3.アサリの害敵駆除
 今年の春から、チシマタマガイとオオウヨウラクガイを事あるごとに駆除しています。潮が引いた
時にアサリ漁場に行くと、写真5のような跡があります。
(写真5)
これはチシマタマガイが砂の中を移動し
た痕跡で、その場所を掘ると簡単に捕まえることができます。オオウヨウラクガイは、砂の上にい
るので簡単に駆除することができます。
これまで駆除した個数と重さを記録してきました。チシマタマガイの駆除個数は1,207個、総重量
は18.3Kg、オオウヨウラクガイは1,442個、総重量は6.7Kgとなりました。オオウヨウラクガイがチシ
マタマガイと同じだけアサリを食べているとすると1年間で約53万個のアサリを救ったことに!

4.食べる!
 本州でも、アサリ漁場にタマガイ類が多く生息していて問題となっています。HPを見るとタマガイ
類の駆除を行うだけではなく、食用にしていることが紹介されていました。これまで、タマガイ類は
固くて美味しくないと聞いていたので、サロマ湖養殖組合・常呂漁組の御二方と塩ゆでして(写真6)
(写真6)
恐る恐る食べてみてびっくり。とても美味しいではありませんか!オオウヨウラクガイも身が小さい
のですが美味でした。
これは、新しい食材として利用できないでしょうか?アサリをたくさん食べているのだから美味しい
はずです。すでに2種合わせて2,600個も駆除してしまいました。これらが、1年でどの程度大きくな
るのか、生息数は?など全く分からないのですが、美味しいチシマタマガイがたくさん漁獲できるよ
うに、アサリをたくさん育てて・・・!?
 久し振りにワクワクした気分になりました。これからも、アサリ漁場がうまく利用されるように調査
協力していきたいと思います。

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| 研究開発活動報告 | 05:01 PM | comments (0) | trackback (x) |
北海道水産土木技術研修会
1月25日(金)札幌市内のホテルにて北海道水産土木協会主催の北海道水産土木技術研修会
が開催されました。この研修会では当社の研究開発室より「北海道のアサリ増殖場造成について」
と題して講演が行われ、アサリの生態やこれまで行われた増殖場の成果、問題点等について具体
的な説明がされました。
ご静聴頂いた方々には好評だったと聞き、担当者も一安心しています。


サンドチューブ工法の説明


研修会の様子

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| 研究開発活動報告 | 03:35 PM | comments (x) | trackback (x) |
サロマ湖のアサリ漁場で
サロマ湖にあるアサリ漁場(写真1)で、昨年の夏ごろから、小さなアサリがたくさん
目に付くようになりました(写真2)。


(写真1)サロマ湖アサリ漁場


(写真2)小さなアサリたち

漁場の上を歩くと、足跡の形に小さなアサリが姿を現し、白い足型のハンコを押して歩
いているようでした。
北海道のアサリは、年に1回、産卵期があります。アサリはオスとメスがいて、9月ころ
水管から肉眼では見えない大きさの精子や卵子を海水中に出して、それらが海水中で
受精し3週間ほど海水中を漂います。その間に0.2~0.3ミリくらいの大きさのアサリに成
長して、海底に降りていき、砂の中での生活が始まるそうです。ちなみに暖かい本州で
は春と秋に産卵期があります。
昨年の夏にサロマ湖のアサリ漁場で見たのは、平成16年の秋に生まれたアサリの子供
たちと考えられました。このアサリ漁場では、小さなアサリの成長を追跡調査していなか
ったので、今年6月からアサリの殻の大きさを1ヶ月に1回測定し始めました。写真3に示す
ように殻の一番長い部分を殻長と呼び、この長さを測りました。


(写真3)アサリの計測

6月に平均16ミリだったアサリの子供たちは9月には平均23ミリになりました。3ヶ月間で約
7ミリ大きくなったことになります。アサリは、水温が低い冬は殻が大きくなりません。サロマ
湖では、おそらく4月下旬~5月上旬に殻の成長が始まり、11月中旬ころに成長が止まって
しまうと推測されます。写真3は9月調査時のアサリです。去年の冬までの大きさを黄色の
線で、今年6月に調査を始めた時の大きさを水色の線で示しました。今年の調査は6月から
始めているので、4月下旬ころの成長開始から11月中旬ころの成長停止までを考えると、お
そらく15ミリ程度、成長するのだと考えられます。
この3ヶ月間の調査から推測して良いのかは疑問ですが、生まれてから4~5年で漁獲サイズ
(40ミリ前後)になるようです。
この小さなアサリ達が、早く大きくなって漁獲されるようになって欲しいものです。


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